「ほんっとありえない!ありえないありえない!」
黒瀬が買ってきてくれたお茶をグビッと飲んでから児童館の外で黒瀬にそう訴える。
「色々、参考になりましたね」
「なるかー!アホ黒瀬!バカ黒瀬!」
「勉強のできない水谷さんにバカ呼ばわりされるとは心外ですね」
「うるさいうるさい!」
「本当は本格的なとこに行きたかったんですが…水谷さんのことを考えたんですよ?」
「はぁ?!あんたみたいな性悪男、一生クラスから嫌われればいい!」
「そうですね」
「そうだ!」
ブチ切れて黒瀬にそう吐きすてる。
「あれ?莉子ちゃん?」
ん?
聞き覚えのある声に名前を呼ばれて、振り返る。
「マコトくんっ」
そこには愛しの彼、マコトくんが立っていた。
「どうしたの?」
「近くの図書館で勉強してたんだ。テストあるし。っていうか、莉子ちゃんこそどうしたの?」
マコトくんは後ろにいる黒瀬のことを見てそう聞く。
あ。
やばい感じだ。
彼女が他の男と出かけてるなんて、こんなの嫌に決まってるよね…
「あ、実は学園祭、お化け屋敷に決まって、それで参考にここのお化け屋敷見ようってなって…」
「僕たち、同じ実行委員なんです」
「ちょっと、黒瀬っ」
どうしてわざわざ今そんなことを言うのだろうか。
黒瀬を軽く睨みつける。
「…へー。2人…で」
明らかにマコトくんの顔が引きつってる。
「黒瀬くんって言った? あんまり他の人の女にちょっかい出さないでくれるかな?君みたいな冴えない男子は勉強だけしてればいいと思うよ」
「…マコトくん」
少し言い過ぎじゃないかと心配していたら、黒瀬が「フッ」と笑った。
「黒瀬?あんた何笑ってんの?」
「…いや…すみません。自分のことは冴えてる男だと思ってるのかと。よくもまぁどっからそういう自信が出てくるのか僕にはよく…」
「は?んだと…?」
マコトくんは一歩前出て黒瀬の肩を捕まえた。
「ちょ…マコトくん…」
2人のバチバチとした雰囲気に慌てる。
「困りますね…低脳な人はすぐ暴力を振るから」
黒瀬がケンカごしなのが意味がわからない。
「まだ何もしてねぇけど?」
「僕が痛かったと思ったら立派な暴力です」
「…あー。莉子ちゃん、行こう」
「え…」
マコトくんは私の腕を捕まえて、黒瀬の横を通り過ぎる。
マコトくん…怒ってる。
「あの…水谷さん、あんまり遅くならないように」
黒瀬はわざとらしくそういうと、マコトくんをまたイライラさせて、その場を後にした。
黒瀬のバカーーー!!!



