「ごめんね…莉子ちゃん」
麻友さんが謝る。
「いえ。あの…黒瀬どうしちゃったんですか?」
私は恐る恐る2人に聞く。
「言わないでって葵に言われてるけど…」
麻友さんは黒瀬が座ってた向かいの席に座って話し出す。
「葵、中学の頃仲のよかったすばるくんっていう男の子がいて…でも転校する前に大げんかしちゃって。それから仲直りしないまま…その時からね、葵がああいう暗い感じになったのは」
「昔はあんな感じじゃなかったんですか?」
「全然だよ。むしろ正反対。まぁあんまり言うとまた葵に怒られるから、僕はこれくらいしか言えないけど」
と黒瀬パパ。
今の黒瀬は本当の黒瀬じゃないってこと?
なにがあったんだろう。
「それで…そんな時に莉子ちゃんが来てくれて…もしかしたら莉子ちゃんが葵の何かを変えてくれんじゃないかって思ったの」
「私が?」
「えぇ。莉子ちゃんが来て葵よく話すようになったし」
え。
あれが話す方なの?
「そのすばるってお友達は…」
「実は、親同士も仲が良くて今も私たちだけはよく連絡を取り合ってるの。でも、本人たちがね…」
「なるほど…」
「すごく仲よくて…私たちもあの頃の笑ってた葵が見たいから仲直りして欲しいなって」
麻友さんは手を祈るようにして、そう話した。



