メガネ男子と同居中


「莉子〜〜!パンケーキ食べにいこー」

「ごめんっ!今日用事あるから!っていうかテスト終わるまで遊べないかも!じゃーね!本当ごめーん!」

放課後、いつものように優子に誘われたが、私は急いで学校を出る。



黒瀬はもう教室にいなかったから、きっともう家に向かってる。


1分でも、待たせたらまた怒られちゃうし。

走って家に向かうと、前に同じ学校の制服を着てる男子が歩いているのが見える。

後ろ姿ですぐ誰かわかった。

「黒瀬っ!」

私はそう叫んで振り返った黒瀬の隣に走る。


「あんた学校でるの早すぎじゃない?」

「…」

「ちょっと、無視?」

「外で近づくな、話すなと言ったのは水谷さんの方です」

あ。

そうだった。


「この間は悪かったよ」

と一応謝る私。

「謝られては困ります。また変なお願いをされそうで嫌です」

「ちょっと、あんたねー!…ひっ!」


!!

黒瀬に言い返そうとした途端、黒瀬に肩を掴まれて、グイッと引き寄せられた。

は?!

「ちょ…」

リンリーン

横から自転車が一台、私のギリギリのところを通りすぎた。


びっくりした…。

「普通に歩いてください」

黒瀬に引き寄せられたことと突然自転車が横を通りすぎたこととで心臓がドキドキする。


黒瀬が助けてくれたんだよね…今の。


「普通に歩いてるわよ!」

「どーだか。今日、川崎先生から水谷さんの成績表を見せてもらいました。とりあえず、苦手な数学と物理から入っていきたいと思います」

「え。私、数学と物理が苦手なの?」

5教科すべて20点以下で同じレベルだと思っていたのに。

違うんだ。


「まぁ、勉強のできない人は大抵自分の得意不得意をよくわかっていない人たちですからね」

「今の悪口に聞こえる」

「統計的な話をしただけです」


いちいち鼻につく話し方だが、今回は黒瀬の言うことを聞くことにしよう。

留年がかかっているんだもん。