重い…。


分厚い歴史の本を7冊一気にもち、ユラユラ揺れながら誰もいない廊下を歩く。


あーなんで、可愛い私がこんなこと…。





図書室が見えて、ドアを開けようとしたその瞬間。



「わっ!!」


ドサッ


本を全部落として転んでしまう。



はぁ…ついてない。


っていうか、こんな重いもの、女子1人に持たせるかね!

「川崎のバカ!」

声に出して担任のことを悪く言う。


もー。


ドアのガラスから図書室の中を見ても誰もいない。


え。


もしかして、先生いない?


ゆっくりとドアノブに手を伸ばし回すと、やっぱり鍵が閉まっていた。


もーーーーー。
優子と予定があるのにーーー!!


「それ、片付けるんですか?」

ドアの前で途方に暮れていると、後ろから声がした。