メガネ男子と同居中

【side 葵】

『なんだ…2人きりじゃないんですか』

思わずそう口に出そうになって慌てて止めた。

僕は何を期待してるんだ。

浮かれてる。
下の名前で呼んだりして。
僕は本当にバカだ。

水谷さんが彼と別れたこと。

水谷さんが僕を構ってくれること。


強がって長い間1人でいたって、構ってくれる存在ができると、僕はすぐこうだ。


結局、ずっと寂しくて、温もりを欲してる。


水谷さんの気持ちはどうなんだろうか。

そんなことばかり考えて、僕に駆け寄ってくれるたびに期待してる。


バカだ。


でも、触れたい。


「黒瀬…」

公園のベンチに座った水谷さんが僕の名前を呼ぶ。

「これがね…私が黒瀬の笑顔ためにできる最高の方法なの」

「僕の笑顔?」

そう尋ねると、水谷さんはコクンと小さくうなずいて、顔を上げて一点を見つめた。


僕も、水谷さんの目線の先を見る。


!!!!


嘘だろ…。


なんで彼がここに…。



「すばる……」


僕は懐かしいその人をじっと見つめそう呟いた。