「じゃあ、黒瀬、先 教室行ってていいよ」
校門まで数十mのところで立ち止まってそういう。
「ほら最近、黒瀬、朝も他の学年の女子に話しかけらてるでしょ?お邪魔したら悪いし」
「はい?僕、水谷さんのこと邪魔だなんて言ったことありました?」
「いや、言われてないけどさ…もし…気になってる子に勘違いされたりしたら黒瀬、困るでしょ?」
「…困るのは、水谷さんの方な話じゃないですか?僕みたいな地味でガリ勉と一緒に歩いたら同じだと思われるって。前にも…」
「そんなこと思ってないよ!!」
思わず大きな声でそう言ってしまう。
そりゃ昔はそんな風に思ってた。
けど今は…。
「昔はそんなことも思ったけど…今は…いい奴だと思ってるから」
自分の顔が赤くなってるのがわかって、顔が見られないようにうつむく。
意識するとダメだな。
ポンッ
「へ…」
黒瀬が私の肩に手を置いたのがわかる。
「…ありがとう…莉子」
!!!!!!
「はっ?!」
耳元で、黒瀬にささやかれたかと思うと、黒瀬はあっと言う間に門の方へ歩いて行ってしまった。
今……
莉子って言った?!?!



