翌日、私は朝早く起きて黒瀬ん家の前で黒瀬が出てくるのを待つ。
ガチャ
「いってきます」
「いってらっしゃーい!」
黒瀬と麻友さんの声がする。
「…あ、水谷さん」
黒瀬が私に気づく。
「お、おはよっ」
「おはようございます。どうしたんですか?水谷さんがこんな早くに外にいるなんて」
「私が早起きじゃ悪いわけ?」
「別にそういうわけじゃ…」
「今日の放課後、付き合って欲しくて」
私は黒瀬の隣に並んで学校に向かいながら話し出す。
「…はあ…でもそれなら学校で話してくれればいいのに」
「何言ってんのよ!無理に決まってるじゃない!あんなに人に囲まれるようになっちゃったんだから…」
「そのことなんですけど」
「ん?」
黒瀬がいきなり立ち止まる。
「今少しずつクラスのみんなとコミュニケーションが取れるようになれたのも水谷さんのおかげです。感謝してます」
「…別に何もしてないからっ」
黒瀬にいきなり礼を言われて、照れ臭くて黒瀬から目をそらしたら少し早歩きして黒瀬の前を歩く。
隣を歩くだけで。
こんなにもドキドキするようになるなんて。
「黒瀬、遅れるよー!」
私は振り返って、後ろを歩く黒瀬にそう叫ぶ。
「僕は遅刻なんてしないですから」
黒瀬が爽やかな笑顔がでそう言った。



