黒瀬が私のことをチラッとみてから、私の横に置いてあるキャリーバックに手をかけようとした。
「あ、大丈夫!自分で持つ!自分で持てる!」
黒瀬に触られまいと、私は急いでキャリーバックを持つ。
「そうですか」
黒瀬はボソッとそういうと、私の前をてくてく歩き出した。
綺麗な家で、麻友さんも最高なんだけど…
こいつさえいなければ。
階段を上がって左側の部屋のドアを黒瀬が開ける。
「ここが水谷さんの部屋」
「あ、どうも…」
開けてもらった部屋に入る。
整えられたベッドに勉強机まで付いていてありがたい。
「この部屋誰も使ってないの?」
「兄貴が前使ってたんです。でも卒業して家を出たから」
「あぁ…黒瀬、お兄さんいるんだ〜」
「はい」
「っていうか、なんで敬語?」
「癖です」
「え、癖?」
「もういいですか?夕食の前に宿題終わらせないと」
はぁ?!
なんだかいちいちむかつく奴だ。
うちのクラス、宿題とかないから!
いや…あるのかな?
「はいはい、どーもどーも。さっさと勉強でもなんでもしてな!」
私はそう言って、軽く黒瀬を部屋から追い出して、扉を閉めた。
なんなのよ、あいつ。
ああいう曲がった性格だから…1人ぼっちなのよ!!
バカ!!!!



