「この上から見える景色、すごいんだよ」
翠さんはログハウスの少し離れたところに歩く緩やかな坂を指差す。
私は、翠さんと一緒にその坂を歩く。
「莉子ちゃん、うちに来てくれてありがとね」
「へっ?」
翠さんの突然の言葉に驚く。
「うちが賑やかになったよ。昔は葵もあんなんじゃなかったから明るい家庭って感じだったんだけどさ」
「黒瀬、なにがあったんですか?黒瀬、この間の学園祭で昔の親友だって子にすごく殴られて…なにがあったのか聞いても教えてくれないんです」
「…すばるくん学園祭きたんだ」
「その人私が黒瀬んちにお世話になってることも知ってて、みんなにそれがバレちゃったんです」
「悪りぃそれはうちの親が悪い」
「え?」
「本人同士はすげぇ仲悪くなってるけど、親同士は仲良くて、莉子ちゃんことついついしゃべっちゃったんだと思う」
「なるほど…親友だったのにどうしてあんなに仲悪くなるんですか?」
「それは本人の口から莉子ちゃんに言った方がいいことだよ」
「黒瀬、私にはなにも話しませんよ」
「キスしたのに?」
「へっっっ!!なんで翠さんが知ってるんですか!!!!」



