「あ」
「…」
翌日、たまたま早く起きてしまった私は、水を飲もうとキッチンに向かい黒瀬とばったり会う。
「げ、元気〜?」
「はい?」
最近、黒瀬とどう接していいかわからない。
いつからこんな風になったんだろう。
「聞きましたよ。水谷さんも行くんですね」
黒瀬は冷蔵庫から水を取り出して私のコップにも水を入れてくれた。
「…え、あ、まぁ」
「あの人がよく許可しましたね」
「マコトくんも私に申し訳ないって思ってるみたいで…今回ばかりは黒瀬家に感謝してるって」
昨日、マコトくんに電話したら思ったよりも元気そうで、別荘のことも承諾してくれた。
「ふーん」
「別荘ってどういう感じな…わっ!」
黒瀬に話を振ろうと顔を上げると、すごく至近距離に黒瀬の顔があった。
「ち、近いよ…」
「なんですか?水谷さん最近おかしいですよ?」
「お、、おかしくないから!あんたが近いんでしょ!」
「…あ、なるほど。そういうことなんですか」
「は?」
「…僕たち…キスした…仲ですもんね」
「はぁぁぁぁ?」
黒瀬は冷蔵庫の方に私を追い込む。
「マコトくんも遠くの方にいますし。どうです?今のうちしときます?もう一回」
「バ、バ、バカじゃないの?」
「水谷さん、結構ウブなんですね」
「はぁ?なんであんたにそんなこと言われなきゃいけないわけ?だいたい…」
「顔真っ赤にしてそう言われても、説得力がありませんよ」
黒瀬は私の腕を手で押さえるとゆっくり顔を近づけて来る。
うそ。
2回目?!
誰がこんな奴と!
私は思わず目を閉じる。
タッタッタッタッ
誰かがここへ向かってくる足音が聞こえる。
「残念。また今度」
へ?
黒瀬は私の耳元で言うと、体を離した。
「あら?2人とも早いわね〜〜おはよ!」
麻友さんだ。
「お、おはようございます!!!」
黒瀬は無言のまま2階へ上がっていった。
「あら、葵ったらおはようくらい言えばいいのに。ねー莉子ちゃ…あれ?莉子ちゃん顔真っ赤よ?熱でも…」
「だだだ大丈夫です!!!」
私は慌ててそういうと、ダッシュで洗面所に向かう。
はぁ…。
洗面所に駆け込み、鏡を見つめる。
「何ドキドキしてんのよーーーー」
真っ赤な顔をしてる自分にそう叫んだ。



