春、さくら、君を想うナミダ。[完]




ここに座っていたのは確か……



金髪の男子。3年生の先輩だった気がする。



あたしはお財布を拾い、すぐに廊下に出た。



数メートル先に見えたのは、



友達と話しながら歩いている金髪の先輩の後ろ姿。



あの人に間違いない。



「すっ……」



呼び止めたいのに、なかなか声が出せない。



だけど、大事なお財布だし。



頑張って、勇気出さなきゃ。



「あ、あの……」



口から出た小さな声は、届かなかった。



どうしよう……先輩、行っちゃう。



今度は思い切り息を吸い込み、目をぎゅっとつぶって大きな声を出した。



「あのっ!」



すると、先輩たちが振り返った。