春、さくら、君を想うナミダ。[完]




もしかして彼は、



あたしの表情を見て、落ち込んでいることに気づいてくれたのかもしれない。



それであんなこと……。



ほんの一瞬だったけど、握りしめてくれた手が温かかった。



あたしは手のひらを見つめる。



どうしよう……好き。



すごく好き。



なんでそんなに優しいの?



優しすぎて、泣きたくなるよ……。



あたしは階段の壁にもたれかかった。



手と手を重ねて、胸元にあてる。



瞳を閉じて、大きく息を吐き出した。



……大丈夫。



どんなにつらくても、負けちゃいそうになっても。



いまは、ハルくんがいる。



ひとりぼっちじゃない。



ハルくんがいてくれるから、あたし……。



なんとか頑張ろうって



頑張るんだって……



いまはそう思える。