もしかして彼は、
あたしの表情を見て、落ち込んでいることに気づいてくれたのかもしれない。
それであんなこと……。
ほんの一瞬だったけど、握りしめてくれた手が温かかった。
あたしは手のひらを見つめる。
どうしよう……好き。
すごく好き。
なんでそんなに優しいの?
優しすぎて、泣きたくなるよ……。
あたしは階段の壁にもたれかかった。
手と手を重ねて、胸元にあてる。
瞳を閉じて、大きく息を吐き出した。
……大丈夫。
どんなにつらくても、負けちゃいそうになっても。
いまは、ハルくんがいる。
ひとりぼっちじゃない。
ハルくんがいてくれるから、あたし……。
なんとか頑張ろうって
頑張るんだって……
いまはそう思える。



