「麦田さん?……麦田さん、いないの?」
先生の声にハッとなったあたしは、慌てて返事をした。
「は、はい」
いまは体育の授業中で、
先生が出席を取っているところだった。
「ボーッとしてんじゃないわよ?」
「……すみません」
その日の体育は、男子はグラウンドで女子が体育館での授業だった。
サバサバした雰囲気で、口調もキツい女性の体育教師。
理由はわからないけど、
なぜかあたしは前からその先生のことが苦手だった。
あたしがあまりハッキリ言えない性格だから、
ズバズバと物事を言う先生が苦手に感じるのかもしれない。



