彼の腕の中で、あたしは小さくうなずいて答えた。
「……はい」
彼はゆっくりとあたしの体を離す。
見つめ合ったあと、あたしは恥ずかしくなって顔を背けた。
「こっち向いて?」
あたしは首を横に振る。
「さくら」
だって……だって……。
「……恥ずかしいんだもん」
小さな声で言うと、
彼の手が、あたしの頬にそっと触れる。
「こっち見てって」
「……嫌」
「嫌って……可愛すぎんだろ」
そんなこと言われたら、絶対に彼の顔を見られない。
「あたし……いまドキドキしすぎて……」
自分が自分じゃないみたいで。
心臓が壊れそうなの。
「俺もだよ」
「絶対あたしのほうがドキドキしてるもん」
彼の瞳を見た瞬間、
彼はあたしにキスをした――。



