春、さくら、君を想うナミダ。[完]




その言葉にショックを受ける。



「あ、あたし……何かしちゃった……?」



涙がこみあげてくる。



……本当は怖かった。



いつかまた、ひとりぼっちになってしまう気がして。



そのうち彼が、あたしから去っていくんじゃないかって。



彼に優しくされるたび、失いたくないと思った。



わがままかもしれないけど、



ずっとそばにいてほしいって思った。



たったひとりの友達を失いたくない。



失いたくないよ……。



「さくら、なんで泣いて……そうじゃない、そうじゃなくて……」



彼の袖をつかんだままのあたしの手に、



上からそっと彼の大きな手が重なる。



「どうして友達やめるなんて……」



「さくらの……彼氏になりたい……」



大きく鳴り響いた花火の音とともに、



頭が一瞬、真っ白になって動けなくなった。



いま、なんて言ったの……?



「さくら」



彼に呼ばれてハッとする。



あたしは息をすることさえも忘れていた。



「え?あの……」



「好きだ」