春、さくら、君を想うナミダ。[完]




いつのまにか空もだんだんと薄暗くなってきて、



ベンチに座りながら、湖の上に打ち上げられる花火を待った。



「そろそろかな」



彼の言葉に、あたしは胸を躍らせる。



そのとき、湖の上の夜空に白い閃光が走った。



そして、色とりどりの大輪の花が咲いて、すぐにドンッと大きな音が鳴り響いた。



「わぁ……きれぇ……」



あたしは両手で口元を覆った。



言葉では言い表せないくらいの美しさ。



でもこれだけは言える。



いままで見てきた花火の中で、いちばんだって。



「すごーい!ねぇ、すっごくきれいだねっ」



隣にいる彼のほうを見ると、彼は優しく微笑んだ。



「こんなにはしゃいでるさくら、初めて見た」