春、さくら、君を想うナミダ。[完]




湖のそばの自動販売機でジュースを買い、あたしたちはベンチに戻ってきた。



「足、痛くない?」



「うん、平気」



花火大会の会場に行くと思っていたから、たくさん歩く覚悟をしていた。



この場所なら家からも近いし、



慣れない下駄でも帰るまで足は痛くならずに済みそうだった。



「この町の花火、さくらは初めてだよな」



「うん。すごく楽しみ」



「そっか、よかった」



「誘ってくれてありがとう」



あたしの言葉に、彼はニコッと微笑んだ。



この町に来て、初めての夏。



初めての友達。



彼と一緒に花火を見られるなんて、



きっと……ううん、絶対。



忘れられない思い出になる。