「ちょっ……」 「大丈夫、大丈夫」 「でも、駅ってそっちの方向じゃ……」 「いいから、俺についてきて」 彼の優しい笑顔に、あたしは何も言えなくなった。 あたしの手首をつかんだまま歩いていく、彼の後ろ姿。 胸がこんなに苦しくなるのは、どうして……? ずっと見つめていたい。 誰よりも近くで、見ていたい。 それって、わがままだよね……?