春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「さくら……照れるからやめて」



彼の顔が少しだけ赤く見えるのは、



夕日のせいだよね……?



彼と目が合って、お互いにすぐ視線をそらした。



恥ずかしくて、

彼の瞳をまっすぐに見ることができない。



「……行こっか」



そうつぶやくように言った彼は、先に歩き出す。



「あのっ、待って」



「ん?」



立ち止まって振り返った彼に、あたしは目を伏せて言った。



「本当に平気かな?花火大会の会場で、もしも学校の人たちに会っちゃったら……」



大勢の人が集まる花火大会でも、バッタリ学校の人に会ってしまうかもしれない。



ふたりでいるところを見られたら、間違いなく大変なことになる。



「大丈夫だよ。行こっ」



彼はあたしの手首を掴んで、歩き始めた。