「今頃になって気づくなんて、あたし本当……」
あたしは肩を落として大きなため息をつく。
「友達の数なんて多けりゃいいってもんじゃないよ。ひとりでも、ふたりでもさ、本当の友達を作るつもりで過ごしていけばいいじゃん」
「うん……」
「なに俺、えらそうなこと言ってんだろ」
彼は頭を掻きながら、苦笑いであたしを見る。
「そんなことないよ」
ありがとう。
あんなに悲しかったのに。
「元気出た」
そう言ってあたしは、ニコッと笑って見せる。
「あたしと友達になってくれて、ありがとう」
これからも、ずっと。
あたしと友達でいてくれる……?
「俺の方こそ、ありがとっ」
そう言って彼は、いつもの優しい笑顔であたしを見つめた。
あたしは、彼に何もしてあげていない。
彼はいつも優しくて。
大きな心で、あたしを包み込んでくれるのに。
「さくら……」
「ん?」
「さっき俺……競争で勝ったじゃん?」
「あ、うん」
そうだった。
負けた人は、勝った人のお願いをひとつ聞くことになっていた。
「3日後の花火大会、俺と一緒に行かない?」



