春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「なんか……」



話の途中で、突然彼がつぶやくように言った。



「いい匂いする」



小鼻をヒクヒクと動かす彼。



「さくらの髪かな?シャンプー変えた?」



「え?あ、うん……」



また嘘ついちゃった。



本当は、家を出る前にヘアコロンをつけてきたのに。



「前から思ってたけど、さくらの髪ってきれいだよね」



「えっ!?」



顔が一気に熱くなる。



あたしの顔、赤くなってないかな。



「俺、女の子が髪長いの好き。なんか触りたくなる」



「さ、触っ……」



「……って、ただの変態か、俺」



そう言って笑う彼を見ていたら、



あたしは自分でも驚くようなことを口に出していた。