春、さくら、君を想うナミダ。[完]




横になったまま、あたしはケータイの画面をジッと見つめる。



「……はぁ」



やっぱりダメ。



自分から電話なんて、できるわけないよ。



でも、彼の声が聞きたい。



彼の笑顔が見たい。



「どうしてこんな……」



こんなに会いたいんだろう……。



ケータイを握りしめたまま、オレンジ色の空を見つめた。



彼のことを考えると、



胸がぎゅっと締めつけられて、切ない気持ちになる。



このまま夏休みが終わるまで、



彼には会えないのかな。



学校には行きたくないけど、



それって、彼にも会えないってことなんだよね。



複雑……。



そのとき、ケータイの着信音が鳴った。



「う……そっ」



着信の相手は、彼だった。