春、さくら、君を想うナミダ。[完]




家の縁側に大の字に寝そべっていたあたしは、



オレンジ色に染まる夕暮れの空をボーッと見つめていた。



昼間はあんなにうるさかったミンミンゼミの鳴き声も、



だんだんとしおらしくなってきて、遠くでひぐらしが鳴いている。



家には、今日も誰もいない。



そんなのは、昔から慣れっこだった。



誰かいても、誰もいなくても。



どうせあたしは、いつもひとりぼっちだから。



寂しいっていう感情は、

どうしたらなくなるんだろう。



「なにしてるのかな……」



目を閉じると、彼の顔が浮かんだ。



夏休みだし、友達と遊んだりしているはず。



夏休み前に彼から借りた本も、もうとっくに読み終わってしまった。



本も返したいし、電話……してみようかな。