それから、彼はあたしとの約束を守ってくれた。
学校の廊下で彼とすれ違っても、彼はあたしに話しかけてくることはなかった。
そのかわり目が合った瞬間に、
彼は周りに気づかれないように、ニコッと笑ってくれたりする。
あたしも笑顔で返そうと思うのに、すぐにうつむいたりしてしまった。
いつしかあたしは、彼の姿を見かけると、
胸が締めつけられるような切なさを感じるようになった。
遠くからでも彼の姿を見つけると、目で追いかけるようになった。
その気持ちがなんなのか。
恋って……
呼んでもいいのか。
あたしにはまだ、わからなかったんだ。



