ハルくんと石黒さんが、廊下を歩きながら話をしているところを最近よく見かける。
ふたりは、付き合いだしたのかもしれない。
誰が見てもお似合いのふたりだった。
ハルくんがあたしの名前を呼ぶことは、二度とない。
廊下ですれ違っても、目を合わせることもない。
放課後、ふたりだけのヒミツの場所だった、
あのベンチに行くことも二度とない。
もう元には戻れない。
あたしが選んだんだ。
あたしから別れを言い出して、終わらせた。
彼の気持ちが冷めたことを知りながら、
何も知らないフリをして付き合い続けるなんて、あたしにはできなかった。
たくさん悩んで、大切なものを手放したんだ。
後悔なんてしない。
そう自分に言い聞かせることしか、できなかった。



