春、さくら、君を想うナミダ。[完]




教室から逃げてきたあたしは、廊下のつきあたりにある図書室に駆けこんだ。



「ハァ、ハァ……ハァ……っ」



誰もいなくてよかった。



本棚にもたれるように、あたしはその場にしゃがみこむ。



涙が止まらなくて、両手で顔を覆った。



あの人……どう思ったかな?



せっかく話しかけにきてくれたのに、何も言わずに逃げ出すなんて最低だよね。



あんな態度とったりして、絶対に嫌われた。



この町に来て、初めて話しかけてくれた人だったのに。



たぶん、もう二度と話しかけてもらえない。



彼にも嫌われて、クラスの女子にも嫌われて。



入学して間もないのに、こんなことになるなんて思わなかった。



あたしの高校生活……いったいどうなるんだろう。



こうなったのは、自分の性格のせいなの?



すぐに人と仲良くなれる人がうらやましい。



あたしにはできない。



どうしたら明るい自分になれるの?



この町に来て、



いっそう自分のことが嫌いになってく……。



「なんかあった?」