春、さくら、君を想うナミダ。[完]




次の日、ハルくんのクラスの前を通りかかると、彼はクラスの友達と楽しそうに話していた。



彼の笑い声、キラキラした笑顔。



あそこにいるハルくんは、あたしの知らないハルくん。



あたしと彼は、



最初から住む世界が全く違う人だった。



だけど、優しい彼があたしに手を差し伸べてくれたから。



そんな彼に、自然と惹かれてしまった。



彼が優しいから。



そばにいてくれるから。



あたしたちは同じ世界に生きていると、



あたしはいつのまにか勘違いしていたのかもしれない。



ハルくんの隣には、石黒さんがいた。



こうして遠くから見ても、やっぱりふたりはお似合いだった。



美男美女。



クラスのみんなが認めるだけあると思う。



「……っ」



ハルくんと目が合ったあたしは、



スッと視線をそらして、その場をあとにする。