春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「あなたは小さい頃からずっとイイ子だったでしょ?」



あたし、イイ子なんかじゃない。



お母さんがそう望んだから、イイ子のフリを演じるしかなかっただけ。



本当のあたしなんて。



あたしがずっとどんな気持ちで生きてきたかなんて。



なにも知らないくせに。



「ヘンなこと言って、お母さんを困らせないでちょうだい。いいわね?」



最初からわかってた。



お母さんは、



あたしのことなんて、どうでもいいんだよね。



お姉ちゃんがいれば、それでよかったんだよね。



「……部屋に戻りなさい」



「お母さんっ」



あたしはうつむいたまま、声を荒らげた。