「理由を言いなさい」 あたしが黙り込んでうつむいていると、お母さんのため息まじりの声が聞こえた。 「理由はなんなの?さくら」 「行きたくないの。どうしても」 「学校に行かないでどうするつもりなの?」 どうするつもりかなんて、考える余裕もなかった。 ただつらくて、悲しくて、苦しくて。 あの場所にいたくない。 逃げたかった。 どこでもいいから逃げたいって思った。 もう耐えられそうにない。 「……働くとか」 苦し紛れに言った言葉は、なんの意味も持たなかった。