春、さくら、君を想うナミダ。[完]





――夜の10時を過ぎたところだった。



自分の部屋を出ると、家の中はしんと静まり返っている。



お父さんはまだ仕事から帰ってきていないようだった。



朝もあたしが起きる前に出掛けるし、



帰りもあたしが眠りにつく頃に帰ってくる。



休日も家にはほとんどいない。



お父さんと最後に会話をしたのはいつだったのかも、



会話の内容も思い出せない。