春、さくら、君を想うナミダ。[完]




休み時間、友達のいないあたしには、教室で特にすることもない。



いつも窓際のいちばん前の席に座ったまま、ボーっと外の景色を見つめていた。



遠くの緑豊かな山々、学校の周りの田園地帯、



広い青空を鳥たちが自由に飛んでいる。



毎日かわりばえのない風景。



……早く家に帰りたい。



ここから早く、いなくなりたい。



家が居心地いいわけではないけど、学校にいるよりかはマシだった。



毎日そんなことばかり考えていた。



だけど、ある日の休み時間。



教室のドアのほうから突然、大きな声で名前を呼ばれた。



「おーいっ!さくらーっ」



ビクッと体が跳ね上がったあたしは、心臓が止まったかと思うほどびっくりした。



教室のドアのところに立っていたのは、彼だった。