春、さくら、君を想うナミダ。[完]




入学式から2、3日くらいは、あたしに挨拶してくれる子も何人かいたけれど、



あたしは緊張して上手に明るく返事をすることができなかった。



相手の反応を見たかぎり、いい印象は持たれなかったと思う。



友達作りは、やっぱり最初が大事なんだとつくづく思った。



あたしは失敗してしまったんだ。



クラスの女子たちは、日が経つにつれてグループになっていった。



見た目が派手で、可愛い女の子たちが集まっているグループ。



同じ中学出身の子たちで集まっているグループ。



勉強が得意そうな子、おとなしそうな子たちが集まっているグループ。



おしゃべりが大好きで、いつも楽しそうに騒いでいるグループ。



どこのグループにも入れずにいるあたしは、クラスの中で浮いた存在になりつつあった。



前に住んでいた町に戻りたいとさえ思い始めていた。



「おはよ~。昨日のドラマ見た?」

「見た見た~」



クラスの女子たちの楽しそうな会話が、席にいても聞こえてくる。



入学して1週間。



いまはもう、あたしに挨拶してくれる人は誰もいない。