「寒くなってきたし、そろそろ帰ろうか」 「うん」 ベンチから立ち上がり、彼は先に歩き出す。 あれから彼は、あたしと手をつなごうとしない。 あたしがあの日、彼の手を無理やりほどいたから。 彼を傷つけてしまったからかもしれない。 「ハ、ハルくんっ」 「ん?」 彼は振り返ってあたしを見た。 手……握ってもいい? 「どした?」 そんなこと言えない。