春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「寒くなってきたし、そろそろ帰ろうか」



「うん」



ベンチから立ち上がり、彼は先に歩き出す。



あれから彼は、あたしと手をつなごうとしない。



あたしがあの日、彼の手を無理やりほどいたから。



彼を傷つけてしまったからかもしれない。



「ハ、ハルくんっ」



「ん?」



彼は振り返ってあたしを見た。



手……握ってもいい?



「どした?」



そんなこと言えない。