春、さくら、君を想うナミダ。[完]




ある日の放課後。



ハルくんとふたりで湖畔のベンチにいた。



この前、少し言い合いになったことがきっかけで、



ハルくんともどこか気まずい雰囲気のままだった。



「それでさ……えっと、なんだっけな」



会話があまり続かない。



無理やり明るく会話をしようとしてくれている彼と、



いじめられていることを誰にも言えずに耐え続けているあたし。



毎日つらくてどうしようもないけど、



ひとつだけ救いなのは、



あたしがいじめられていることに彼が気づいていないことだった。



彼が同じクラスじゃなくてよかった。



学校では距離を置いていて正解だった。