誰にも見つからないように、 授業開始のチャイムが鳴ったあとにトイレから出た。 教室には戻らずに、そのまま学校を抜け出して、 濡れた体に突き刺さる冷たい北風の中を震えながら歩いた。 鞄は教室に置いたままで、 制服のポケットにはケータイと家のカギしか入っていない。 バスに乗ることもできず、家までの長い道のりを歩いて帰るしかなかった。