春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「イイ子にしててね」



そう言ってお母さんは、玄関を出て行った。



あたしは閉まったドアに向かってつぶやく。



「イイ子にしててねって……小さな子供みたい……」



本当は話なんてなかった。



だけど、なんだか今日は無性にお母さんと話がしたかった。



話の内容なんて、なんでもいいから。



くだらないことでも、なんだっていいから。



ただ、話がしたかった。