その日、学校から家に帰ると、 ちょうどお母さんが玄関で靴を履こうとしているところだった。 「ただいま」 ボソッとあたしが言うと、 お母さんは靴を履きながら、あたしの顔を見ずに言った。 「おかえり」 顔ぐらい見てよ。 下を向いているお母さんの姿を見つめながら、心の中でつぶやいた。