春、さくら、君を想うナミダ。[完]




顔を上げると、彼はあたしの瞳を見つめて微笑んだ。



胸の奥が締めつけられるような切なさを感じたあたしは、小さな声でつぶやく。



「……帰りたくない」



「俺も」



彼は、あたしのおでこにキスをして、



あたしをぎゅっと抱き締めた。



このまま……帰りたくないよ……。



帰りたくない……。



彼がそっとあたしの体を離し、見つめ合ったあたしたちは、



お互い引き寄せられるようにキスをした――。