春、さくら、君を想うナミダ。[完]




廊下を歩いていくと、浴衣のまま座って入れる足湯があった。



あたしたちは浴衣を膝のあたりまでまくって、足湯に浸かる。



まわりには誰もいなくて、ふたりだけの空間だった。



「ねぇ、ハルくん」



「どした?」



「写真……撮ってもいい?」



あたしはタオルに包んで持っていたデジカメを、彼に見せた。



「おっ、撮ろうぜっ」



「え?いや……ハルくんの写真を撮りたいの」



「なんで?ふたりの写真じゃないの?ふたりで撮ろうよ」



あたしからデジカメを受け取った彼は、



あたしの肩を抱き寄せて顔をくっつけた。



「さくら、撮るよ?」



「あ、うんっ」



――カシャッ。



顔と顔を寄せ合い、笑顔のふたり。