あたしはきっと。



少しずつ、少しずつ。



大切なものを、見失い始めていた。



彼は何も悪くなかった。



全部、全部。



あたしが悪かったの。



自分のことで精一杯だった。



彼の気持ちを考える余裕がなくなってた。



悲しくて、苦しくて。



この場所で息をすることだけで、必死だった。



あたしは、最後まで彼を傷つけることしかできなかった。



ごめんね、ハルくん。



本当に……ごめんなさい。



でもね、これだけは言えるよ。






あたしは、ハルくんが好きだった。



君が思うよりもずっと、

あたしは君のことが好きだったよ――。