春、さくら、君を想うナミダ。[完]




家族って、なんだろう。



うちは本当の家族って言えるのかな。



別に、お父さんとお母さんの仲が悪いわけではない。



よそから見れば、うちはごく普通の家族に見えるかもしれない。



だけど、あたしは昔からずっと孤独だった。



家にいても寂しかった。



いつも胸が苦しかった。



この町に来ても、それはきっと変わらないと思う。



お母さんとあたしの距離は、



時間が過ぎていくとともに離れていく一方だった。



――あれからもう、8年。



8年も経つんだ。