春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「アハハッ、引っかかった~」



ハルくんはイタズラな表情をして笑っている。



サイダーだったって、いま気がついた。



「もぉ!あたしに渡す前に振ったのぉ?」



あたしはハンカチをポケットから取り出し、顔についた泡を拭こうとする。



「ごめん、ごめんっ。俺が拭くよ」



彼はあたしからハンカチを奪うと、



あたしの顔を優しく拭いてくれた。



「もしかして目に入った?平気?」



「うん、大丈夫」



顔を拭いてもらっているとき、どこを見たらいいのかわからなくて。



少しうつむいて、瞳を閉じていた。



「よしっ、いいよ?」



瞳を開けた途端、彼と目が合ってしまった。



胸がぎゅっと締めつけられる。