春、さくら、君を想うナミダ。[完]




「あんたたち、ちゃんと練習しなさいっ」



心配していたとおり、先生がやってきて注意されてしまった。



「はーい」



口をとがらせながら彼女たちは重い腰を上げ、



少し離れた場所に座っていたあたしのほうを見た。



「麦田さん」



ひとりの女子があたしを呼んだ。



「あ、うん」



慌てて立ち上がったあたしは、彼女たちのところに行く。



「じゃあ、練習しよっか」



すると彼女たちは、横一列に並び始める。



あたしはどこに並べばいいのかわからなくて、いちばん端に立ってみる。



ここでいいのかな……?



不安になって彼女たちのほうをみるけど、誰もあたしと目線を合わせようとしない。



「曲流すね~」



真ん中に立っていた女子が大きな声で言った。



アップテンポな洋楽が流れる。



いつのまにダンスの曲を決めていたんだろう。



あたしの知らないうちに、彼女たちの間で曲はすでに決まっていた。



そして、曲に合わせて彼女たちは、そろって踊り出す。



なに……これ……。



あたしは彼女たちを見つめるだけで動けず、その場に立ちつくしていた。