春、さくら、君を想うナミダ。[完]




あたしは、彼のモノになりたかった。



彼のいちばん大切な人になりたかった。



彼の……いちばんに……。



「……ハル……くん……」



彼は、あたしの長い髪をかきあげると、



顔を傾けて、あたしの首筋にキスをした。



あたしの肌に触れる優しい大きな手。



「さくら……」



触れられたところが熱を帯びてく。



もっと近くにいきたい。



彼のモノになりたいって



心から思ったの。



好き……。



好きで、好きで……どうしようもない。



他には何もいらないとさえ思う。



ハルくんさえいれば、もうそれでいい。



「……好き……っ」



大好きだよ……。



その気持ちだけが、その瞬間のすべてだった。