春、さくら、君を想うナミダ。[完]




彼の大きな手が、あたしの頬を包み込むように触れた。



「なんでそんな可愛いわけ?」



「あたし可愛くなんか……」



「なに言ってんの?俺のお姫様は」



「お、お姫様って!またふざけてっ……もぉ」



あたしは頬をプクッとふくらませた。



あたしの顔が赤くなるのをわかってて、彼はいつもからかってくる。



ずるいのは、ハルくんのほうだよ。



いつもそうやって、冗談でもあたしをドキドキさせる。



「ハルくん、機嫌……直った?」



「まだ」



いま笑ってたのに。



機嫌直ってなかったの?



「俺って束縛激しいタイプだったみたいだな。さくらと付き合うまで知らなかった」



……束縛されるの、嫌じゃないよ。



だって、それだけあたしを想ってくれてるってことでしょ?



あたし、歪んでるのかもしれない。



束縛されるのも、ヤキモチやいてくれるのも嫌じゃない。



うれしいって思う。