春、さくら、君を想うナミダ。[完]




あたしは彼の腕を掴んだまま、つぶやいた。



「……だよ」



「ん?」



「ハルくんだけだよ」



触れたいと思うのも

触れてほしいと思うのも。



抱きしめて欲しいって思うのも。



こんなふうに胸がドキドキするのも。



ずっとそばにいたいって思うのも。



ハルくんだけだよ。



「あたしには、ハルくんしかいない」



いつもは恥ずかしくて素直に言えない想い。



だけど、いまは。

伝えたいって思った。



言わなきゃって。



「ハルくんしかいないよ……」



「……ずるいよな。さくらは」



あたしは首を傾げて、彼を見つめる。



「そうやって、いっつも俺を夢中にさせてさぁ」