春、さくら、君を想うナミダ。[完]




金髪の先輩は、見た目が不良っぽく見えるのもあって、



正直怖かった。



でも渡さなきゃ、大事なお財布。



あたしは先輩たちのほうへ駆け寄り、うつむきながら小さな声で言った。



「あの、すいません、お財布が落ちてたので……」



「え?あ……」



先輩は自分のポケットを確認したあと、あたしからお財布を受け取った。



「気づかなかった、助かったわ」



そう言って先輩は、お財布を自分のポケットにしまう。



「今日、友達と買い物行くからさぁ、けっこう金入れてたんだよ」



「そうですか……」



「マジでさんきゅー」



先輩は軽い口調で、いきなりあたしに抱きついた。