「なぁ、風岡。何で侑李をいつから好きだったんだよ」



「訊けって頼まれたのか」



「そんな女じゃねぇだろ?」



「まぁ」



「で?いつ」



「……あいつが1年の3学期。教室で居眠りしてたあいつは、幼さ残して可愛かった」



「案外、普通だな」



「じゃあ聞くな」



そんなあいつももう母親。

生意気な子供2人の母親。

けど、出会って8年が過ぎようと、変わらないあの綺麗さは、二十歳の同い年の女とは比べ物にはならないだろう。

そんな事、あいつはわかってないだろうが。



「ゆーり?ゆーり!」



「おい。人の女、名前で呼ぶな」



「3才の息子に嫉妬か;;」



「良いか?侑李は俺の女」



「うるしぇー!れぇや!」



「あ?」



「パパ!キレても仕方ないでしょ?」



「冷静だな;;」



「あ、ゆーり!」



「私、ママだから。それにレンタロウは叔父さんと遊びなさいよ!ママはね、お腹が重たいの。パパは役に立たないから、叔父さんと公園でも行って来なさい」



「おっちゃん、ヒマなの?」



「サイリ、お口チャック;;」



俺に似たらしく本当に生意気。

けど、確実に娘は侑李に似てる。

子育ては始まったばかりだが、どうしたら子供らしく育つのか。

まぁ、それでも俺たちの子供だけに可愛くて。

何だかんだ、大切な家族。

だけど侑李は、俺の女だ。