「蓮也を変えてくれるのは、きっと子供だと思うから、とりあえず結論から言うと、就職を蹴ったから悪しからず。ここで養ってね」



「あ?将李のマンションか実家に住め」



焦らしたつもりだが、少しも察して居ないのだろうか。

言い方はおかしかったのは自覚してるけど、ヒントを居れたつもりなのに何故に気付かないのか。

この男は、なかなかの鈍感でもある。

しかも、果てしなく冷たい。

週5日、今も共に過ごしてるのに、2日増えただけでどうして断るのか。

蓮也のご両親とお姉さんとは対面済みで、関係も認めて貰えたのに、何しに断られたのか。



「そうもいかない」



「知らねぇ。金あんだろ」



「……ん、わかった。じゃあ、養育費だけ賄ってくれれば、お望み通りにするよ」



「おい、何の養育費だ」



わざと突き放すように言って鞄を手にすると、蓮也は私の想像以上の反応。

目を見開きながら、私の腕を掴んで来た。

喧嘩して、自宅に帰ろうとした時だって止めてくれなくて、それに腹が立ってまた喧嘩してと繰り返した日は何だったのか。



「赤ちゃんが、居るのっ」



でも、そんな過去の話はもう良い。

私には、明るい未来が待ってる。

例え蓮也が嫌だと言っても、私はお腹の赤ちゃんを産みたい。

男の子なら、蓮也みたいな子。

女の子なら、2人の良いところを受け継いだ子が望ましい。