冷たい男

「……何で知ったように」



「え?だって元々、侑李ちゃんと友達になってから将李君と知り合ったから」



「お前、ずっと病院だろ」



「それはー……」



ボーッと会話を聞いてると、まさかの話に流れてしまった。

頼香の視線に気付き、一瞬、悩む。

俺から話して良いのだろうか。

本当は、侑李から話した方が良い筈。

けど、あいつが言うとは思えない。



「3年前、急性骨髄性白血病になって、その時に知り合ったんですよ」



「……白血病?」



「今は治って、数年間、完治するかどうか様子見ってとこです」



「…………」



「煙草吸うし、酒も呑む。けど、何となしに食事は気に掛けてると思いますよ」



「確かに、野菜と和食は多い」



「…………」



…手料理、食わせてるのかよ。

女らしい事してんじゃねぇかよ。




「半同棲してるんだよね?」



「月曜から金曜までな」



「……何か、目眩が……」



侑李の話だと、片想いとか遊ばれてるとしか思えなかった。

…なのに、実は半同棲って;;

あいつだから、やたら不安になってて、頼香の存在にショックを受けたってとこだな。



「あの馬鹿……」



ちゃんと話してれば、事故に遭う事もなかっただろうに、何をしてるんだ。

これが妹だから呆れても可愛いヤツで済むけど、他人だったらアホ過ぎて笑えねぇ。

手術が終わって目覚めたら、説教するしかねぇな。